腕や脚、ワキといった体のムダ毛は自己処理できても「どうやってお手入れすればいいのかわからない」「自己処理すると痒くなっちゃう」といった声が多いアンダーヘアのお手入れ。
アンダーヘアが生えるいわゆるVIOといわれる部位は、とてもデリケートでトラブルが起こりやすい場所。清潔できれいな状態をキープするためにも「プロの手」を借りるのが正解です。
今回は、アンダーヘアの処理に悩める女子に向けて、脱毛サロンの元店長が「本当にキレイなVIOゾーンの作り方」をレクチャーします!
そもそもVIO脱毛ってどんなもの?
カミソリで剃ったり、アンダーヘアの一部を焼き切ったり、毛抜きを使って抜いたり…とアンダーヘアの自己処理方法はさまざま。
ですが、アンダーヘアのあるVIOは非常にデリケートな部分。ムレて細菌も繁殖しやすいため肌トラブルが起こりやすく、きれいに処理したつもりが「カミソリ負けしてしまってかゆみが出た」「埋没毛が多発してぽつぽつと黒ずんでしまった」などのトラブルが頻発しがちです。
VIOは自己処理が難しい部位だからこそ、プロの手を借りたVIO脱毛がベスト。まずは、VIO脱毛について知っておきましょう。
最近よく見かける「VIO」ってどの部分?
アンダーヘア脱毛の総称として使われることが多い「VIO脱毛」。
サロンによって範囲や呼称が異なる場合がありますが、陰部の恥骨まわりの毛を「Vライン」、股のあいだ、陰部の性器まわりの毛を「Iライン」、肛門まわりの毛を「Oライン」と呼ぶのが一般的です。
一度に施術することが多いVIO脱毛ですが、実は部位ごとに脱毛時の特徴や必要となる施術回数が異なります。詳しく解説していきましょう。
Vラインの脱毛範囲・必要回数
サロンによっては「ビキニライン」と呼ぶこともあるVライン。
正面から見たときに「どの程度お手入れされているかどうか」が見てとれる部分ですので、「つるつるにしたい」「全体的に毛の量を減らして薄くしたい」「控えめなかたちに整えたい」など、初回のカウンセリング時にデザインを決めてから脱毛のオーダーをします。
Vラインの脱毛必要回数は、どの程度まで毛の量を減らすか、元々の毛量によりますが、以下の回数が目安となります。
毛の量を減らす | 無毛 | |
---|---|---|
サロン脱毛 | 18回 | 20~23回 |
医療クリニック脱毛 | 6~8回 | 10回 |
Iラインの脱毛範囲・必要回数
皮膚がとても薄くデリケートなIライン。剃るにしても抜くにしても自己処理が難しいため「Iラインだけでもサロンにお願いしたい!」という人は多いのではないでしょうか。
また、Iラインは「無毛にしたい」というニーズが高い部分。Iラインをすっきりと処理しておくことで、おりものの付着や生理時の不快感を大幅に軽減させることができますので、衛生的にも脱毛がおすすめです。
とはいえ、皮膚が薄く粘膜に近いIラインの脱毛は痛みを伴いやすい部分。痛みに弱い人は、痛みを軽減させる施術をウリにしているサロンを選ぶのが賢明かもしれません。
また、粘膜に生えた毛については肌トラブルなどのリスクの高さから、脱毛サロンでは「対応不可」としているケースが多いので注意が必要。
医療クリニック脱毛の場合は「対応可」としているところが多いものの、医療クリニックの脱毛は痛みがでやすいレーザー脱毛が主流。粘膜ギリギリの施術はかなりの痛みを伴うことは覚悟しておく必要があります。
Iラインの必要回数とは?
女性のデリケートな部分を守るIラインは、VIOで一番脱毛回数が必要な部位。目安となる施術回数は以下の通りです。
毛の量を減らす | 無毛 | |
サロン脱毛 | 18~20回 | 25回以上 |
医療クリニック脱毛 | 8~10回 | 12回以上 |
Oラインの脱毛範囲・必要回数
肛門まわ回りに細かく生えている「Oライン」の毛。Iライン同様、皮膚がとても薄い部分ですので、やはり痛みが出やすい部位です。
とはいえ、やっぱりおしりの周りの毛はきれいにしておいたほうが衛生的。すっきりときれいに整えておきたい部分ではないでしょうか。
Iラインと同じく、Oラインも肛門に近い部分については「対応不可」としている脱毛サロンが多め。こちらも医療クリニックであれば「対応可」としているケースが多いものの、施術時の痛みは覚悟しておいたほうがいいかもしれません。
Oラインの必要回数とは?
Oラインの脱毛は照射範囲が狭いので、比較的回数は少なめです。Oライン脱毛の必要回数は、以下の回数が目安です。
毛の量を減らす | 無毛 | |
サロン脱毛 | 10回 | 12回程度 |
医療クリニック脱毛 | 5回 | 8回程度 |
何ヵ月に一度通うのがベスト?脱毛サロンの元店長がオススメする「VIO脱毛の施術ペース」
VIO脱毛の来店ペースは、脱毛サロンや医療クリニックによってさまざま。「2ヵ月に1回来てください」というところもあれば、「3~4ヵ月は空けましょう」というところもあるため、どのぐらいのペースで通えばいいのかわからないという人も多いのではないでしょうか。
まずは、毛周期と脱毛の関係について解説します。
効率よく脱毛するには毛周期に合わせた照射が不可欠
すべての体毛には、「毛周期」と呼ばれる生え変わりの時期があります。VIOに限らずどの部位にも言えることですが、より効果的に脱毛を進めるには、この「毛周期」に合わせた照射が不可欠です。いったいなぜでしょうか。
脱毛サロンで主流の「光(IPL)脱毛」も、医療クリニックで主流の「レーザー脱毛」も、体毛の周期の中で、成長期の毛(体毛が抜けようとする前の状態の「最も元気な状態の毛」)に対してアプローチする脱毛方法です。
近年では、「全身脱毛コース」として全身脱毛を一度に施術する脱毛サロンが多く、そのほとんどは、「2ヵ月に一度の来店」を推奨しています。
ですが「毛周期」は体の部位によって異なるため、本来は「部位別の毛周期」に合わせて来店し、施術を受けるのがベストです。
とはいえ、多くの部位を一度に脱毛する場合は、それぞれの部位に合わせた毛周期に沿って来店するのが非効率であることから、毛周期のあいだをとって「2ヵ月に一度」としているのが実情です。
ほかの部分よりもスローペースな「VIOの毛周期」
VIOの毛周期は、手足など他の部位に比べ「生え変わりのペースが遅い部位」といわれています。主な部位別の毛周期と比較してみましょう。
成長期の期間 | 成長期の毛の割合 | |
頭髪 | 2~6年 | 80% |
ワキ | 4~5カ月 | 30% |
足・腕 | 3~4カ月 | 20% |
顔 | 4カ月~1年 | 50~70% |
VIO | 1~1年半 | 30% |
上記のとおり、VIOゾーンの毛の生えかわりペースは「1~1年半に1回」です。
計算すると、1年=12ヵ月のあいだに30%ずつ成長期を迎えることになりますので「3~4ヵ月に1回」施術をするというのが理論上はベストなタイミングといえます。
ですが、脱毛サロンの現場で多くのお客様のVIO脱毛を自らの手で行った経験上、本当におすすめしたいVIO脱毛の来店ペースは「2ヵ月に1回」です。いったいなぜでしょうか。
理由は3つです。
人間の体・体毛は、机上の理論上と異なる
人間の体毛の毛周期は、成長期・休止期・退行期の3段階に分かれます。
もちろん「成長期の時期の毛」に照射をするのがベストですが、自分のVIOの毛が「成長期」になっているのか、「休止期」になっているのかというのは、肉眼でわかるものではありません。
VIOの毛は下着によってこすれやすく、歩行のたびに刺激を受けるため、他の部位と比べて血液の循環が活発です。毛周期の表の理論通りに単純に当てはまらないケースが多く存在します。
脱毛を始める前のVゾーンの毛は、他の部位に比べて元々濃いめという人がほとんどではないでしょうか。
だからこそ、VIO脱毛を始めたばかりの時期は、来店ペースを上げて照射を行った方が効率的に脱毛することができます。
VIOは、自己処理による発毛指令が出やすい部位
ムダ毛と呼ばれてしまう体毛も、もともとは体を守ろうとして生えているもの。
しっかりと生えてしまったVIOの毛に悩んだ結果、カミソリで剃るなどの自己処理に踏み切り、余計に丈夫な毛が生えてきてしまった…といった経験を持つ人は、けっして少なくないと思います。
前述した「毛周期」は、自己処理など何も手を加えなかった場合の「生え変わり」の時期を指し示す数値です。
カミソリで自己処理をしている場合、毛の「発毛指令機能」がはたらき、理論上の毛周期よりもハイペースで毛が生えてしまうケースが少なくありません。
こういった人の場合は、理論どおりの「3~4カ月に1回」の来店ペースではかみ合わず、脱毛完了までがかなり期間がかかってしまいます。
サロンの予約がズレることも計算しておこう
脱毛サロンにしても医療クリニックにしても、脱毛完了までには複数回通う必要がありますので、時には混雑している、スケジュールが合わないなどの理由から希望通りのペースで通えないことも頭に入れておきたいところ。
VIO脱毛は、ほかの部位と比較して完了の回数がかかる部位。来店ペースがあいてしまうと、その翌月にはまた成長期を迎える毛も出てくるため、タイミングを逃すと脱毛完了がどんどん遅くなってしまいます。
もしも予約が取れず施術ペースがズレてしまった場合であっても、最低でも「3~4ヵ月に1回」のペースはキープすることができるので、来店ペースはやっぱり余裕をもって「2ヵ月に1回」と考えておくのがベストです。
2週間に1回の来店もOK?「SHR方式」の脱毛サロン
これまで脱毛の頻度は「2ヵ月に一度がベスト」と解説してきましたが、最近では「1ヶ月に一度」「2週間に一度」とさらにハイペースでの来店を推奨している脱毛サロンを見かけるようになりました。
いったいなぜでしょうか。
実はこれ「従来の脱毛方法とは異なる脱毛方法を採用している脱毛サロンだから」なのです。
毛周期にかかわらず脱毛できる!SHR方式とは?
現在脱毛サロンで主流となっている「光(IPL)脱毛」も、医療クリニックで行われてオイル「医療レーザー脱毛」も、「成長期」の時期の毛に毛根にダメージを与えるか、毛根ごと破壊する脱毛方法です。
ですが最近の「2週間に1回のペースでOK」とされているサロンは、こういった「毛周期の成長期の毛」にアプローチする脱毛方法ではなく、毛穴の奥にじんわりと熱を加えて、ゆっくりと体外に排出していく「SHR方式」という新しい脱毛方法を採用しています。
成長期の毛以外にも反応する脱毛方法ですので、毛周期にとらわれずいつでも施術することができるのが特徴です。
ただし、SHR方式の場合、ハイペースに通ったからといって完了までの期間が短いかどうかはまた別の話です。
まとめ
VIO脱毛には、光(IPL)脱毛、レーザー脱毛、SHR方式と3つの施術方法がありますが、効果に関しては個人差があるため一概にはいえません。
脱毛完了までの期間や予算、痛みの程度など、さまざまな条件を考慮して決めるのがベストです。
はじめてのVIO脱毛に不安を感じている人は、まずは体験からスタートし、3回などのショートコースで、実際に効果が体感できるかチェックしてみるのもおすすめですよ。